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松村 大樹
触媒の劣化対策,長寿命化, p.205 - 212, 2020/11
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所での事故においては、原子力格納容器内部にて水素が大量に発生し、それが外部へと漏れ出ることにより水素爆発を誘発させ、放射能物質の環境への拡散を引き起こす要因となった。金属微粒子触媒を利用した水素-酸素再結合反応の利用は、放出された水素と環境中に存在する酸素とを緩やかに反応させ、水素が爆発限界濃度に達する以前に水素ガスを消費させ水素濃度の低減化を図ろうとするもので、外部電源が存在しない環境下においても効果的に水素を除去するシステムを構築できる可能性があり、より幅広い環境下における実用化が求められている。触媒の長寿命化という観点からの開発には、触媒の劣化の要因を知ることが必要である。X線吸収分光(X-ray absorption fine structure: XAFS)法は担持微粒子触媒の構造解析手法として、「その場」測定に最も適した手法と言っても過言ではない。各種雰囲気を制御したXAFS法による「その場」観測を行うことで、反応と構造との関連を付け、触媒劣化の真の構造要因を探り、触媒の長寿命化への道筋を作ることができる。
稲垣 嘉之; 坂場 成昭
触媒, 61(2), p.92 - 96, 2019/04
約650Cの太陽熱を利用して、水の熱分解で水素を製造する膜分離新ISプロセスについて紹介する。ISプロセスを構成する3つの反応に膜技術を適用して、反応温度の低温化、循環物質の低減などを図るため、触媒,分離膜,耐食材料などの要素技術を開発した。太陽熱を用いた研究開発は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の委託研究課題「熱利用水素製造」において実施された。
馬場 祐治
触媒, 53(3), p.160 - 166, 2011/04
「触媒」誌からの依頼により、光電子顕微鏡(PEEM)と軟X線放射光を組合せた有機分子の高速ナノ構造観察に関する最近の研究成果について解説した。主な内容は、(1)マイクロ-X線吸収端微細構造(NEXAFS)法の原理、(2)放射光軟X線ビームラインに設置した光電子顕微鏡(PEEM)の概要、(3)軟X線ビーム集光による軟X線PEEM観察の高速化、(4)軟X線PEEMによる有機分子薄膜のナノ配向観察、である。また、同手法の触媒反応観察への応用の可能性についてもふれた。
小貫 薫
エネルギー触媒技術, p.268 - 281, 2010/11
原子力機構における高温ガス炉による水素製造技術開発を紹介するとともに、各所で行われてきた熱化学水素製造法ISプロセスに関する触媒研究を概説した。ISプロセスのヨウ化水素分解反応及びSO分解反応は触媒を要する反応であり、いずれの反応系でも白金系触媒が高活性を示すこと、SO分解では白金を上回る活性を示す複合金属酸化物が存在することなどが明らかにされてきた。今後、ヨウ化水素分解では低い平衡分解率を克服するための液相分解,反応蒸留などの諸提案にかかわる触媒開発が、また、SO分解では耐久性の改良が重要な研究課題である。
池田 隆司; Huang, S.-F.*; Boero, M.*; 寺倉 清之*
白金代替カーボンアロイ触媒, p.121 - 138, 2010/04
グラフェンに窒素をドープした系の電子状態計算と、第一原理分子動力学に基づいたシミュレーションの結果から、カーボンアロイ触媒の酸素還元反応に対する触媒機能がどのように説明されるかを解説した。
小貫 薫
触媒, 51(4), p.270 - 274, 2009/06
高温ガス炉から得られる1000C近い高温の核熱を用いた水からの水素製造について、原子力機構における技術開発プロジェクトを紹介するとともに、高温ガス炉に接続する水素製造プロセスの有力候補である熱化学法ISプロセスの研究開発の現状を概説した。
高桑 雄二*; 小川 修一*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
触媒, 47(5), p.352 - 357, 2005/08
Ti(0001)表面酸化反応を高輝度放射光とHe-I共鳴線を用いた光電子分光でリアルタイムモニタリングした。Ti2pとO1s内殻準位,価電子帯の光電子スペクトルから求めた酸素吸着量,酸化状態,酸化膜厚,電子状態,仕事関数の時間発展から解明した酸素吸着モデルと極薄酸化膜形成過程について解説した。
梅林 励; 八巻 徹也; 浅井 圭介*
光触媒; 基礎・材料開発・応用, p.637 - 643, 2005/05
従来から困難だと言われてきたS添加による酸化チタン(TiO)の可視光応答化に初めて成功し、S添加TiOの光学特性及び光触媒性能について明らかにした。なぜ遷移金属酸化物へのSやNなどの軽元素添加が有効なのかについては、p電子系の元素であることが重要なポイントであると筆者らは考えている。第一原理バンド計算に基づく電子構造解析によれば、例えばp電子系のSを添加すると周囲の電子と共鳴した新規バンドを形成するため、光生成したキャリアは局在化しにくくなる。これは、Crなどd電子系遷移金属の添加が局在準位を形成するのとは対照的であり、Sに限らずp電子系の元素に共通する性質であることが示されている。
小嶋 拓治
触媒, 46(3), p.248 - 253, 2004/04
石炭/石油燃焼火力発電所排煙中の硫黄酸化物及び窒素酸化物の除去,ごみ燃焼排煙中のダイオキシン類の分解、及び換気ガス中の有害揮発性有機化合物の分解・除去など、環境汚染物質を含む排煙・排ガスの電子ビームを用いた浄化技術に関する研究開発について述べる。
永井 士郎; 大西 俊一*; 仁田 勇*
触媒, 13(1), p.48 - 51, 1971/00
シリカゲルに吸着したベンゼンを-196で線照射してESRを測定すると,吸着量に対応してベンゼンモノマーカチオンおよびダイマーカチオンが観測される.ダイマーカチオンは,吸着量2.010mol/g付近から生成し,また,吸着試料をわずか昇温すると,モノマーカチオンと中性分子との反応によっても生成する.トルエン,3種のキシレンおよびメシチレンの吸着試料からも対応するモノマーカチオンおよびダイマーカチオンの生成が観測される.
野崎 文男
触媒, 8(1), p.32 - 35, 1966/00
PtやPdをAlOやSiOなどの反磁性体上に薄く分散させた触媒は工業的にはもちろんのこと触媒化学の面でも興味がもたれ、現在では多数の研究報告が参照できる。しかしながらESRからの検討はまだ数少ない。ところで、Turkevichらはすでに一様な大きさのPd粒子がAlO上に一様に分散している触媒の調製法を開発し、さらにCH水素化における触媒活性とPd粒子径との関連性を検討している。そこで本研究においては、その続きとしてこの触媒調製法で得られるPd粒子径の整っている担体付触媒について触媒活性に関係のある因子をESRの知見から検討してみたい。